あなたがもし子供達に向かって、これから大人になるために何が最も大切か、ふたつ挙げるとしたら何と言いますか?
”知恵と勇気”というのもあるでしょうし、”思いやりと正義感”とか、”向上心と努力”なんていうのもいいですね。
しかしオーストリアの教育家ルドルフ・シュタイナーは、ちょっと意外な言葉を並べています。
1919年、シュタイナーは南ドイツのシュトゥットガルトにはじめて学校を設立しましたが、その年のクリスマスを前にして、子供達に次のように語りかけています。
「君達は空を飛ぶ鳥を見るとうらやましいと思うかもしれないね。でも私達も精神的なものに向かって二つの翼で飛ぶことができるのだよ。左の翼は”勤勉”、右の翼は”注意力”という翼で、それによって君達は人生へと飛び立ち、生きるための素晴らしい力を持った人間になることができるのだよ」 ~「シュタイナー、芸術としての教育」(1988年小学館)の上松祐二氏あとがきより抜粋意訳~
”勤勉と注意力”、このふたつは実は、あらゆる芸術活動に携わる人間にとって最も重要な必要条件と言ってもよいものだと思います。人間が健全に生きていくために芸術が果たす役割を深く理解し、教育自体を芸術化しようとしたシュタイナーらしい言葉の選択です。
現在シュタイナーの教育方法を実践するいわゆるシュタイナー学校は、世界中で1000校を超えていますが、残念ながら日本ではごくわずかしか存在しません。その数少ない教育施設のひとつ「第二大麻幼稚園」が僕の住む江別市にあります。
1996年に縁あって園舎の玄関に作品を設置しました。
作品タイトルは「ふたつの翼」、~作品集~の中でも紹介しています。
さてもうじきクリスマスがやってきますが、毎年この季節になると工房ではクリスマス用の作品をいくつか作ります。
今年は「ふたつの翼」をモチーフにして、サンキャッチャーとキャンドルスタンドをデザインしました。
但し、破材の小さなガラスをできるだけカットしないで組み合わせたものですので、”デザイン”といえるかどうか。
これらの作品は、いつもお付き合いいただいている三ヶ所のギャラリーにて展示販売されています。
ウッドいのうえ(江別市)
ギャラリー村岡(函館市)
ギャラリーおがわ(大阪市)
インテリーニ(旭川市)さんには、大き目の作品を展示させていただきました。