雑記帳

ステンドグラスの強度ーその4-

2015年10月26日
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ステンドグラス制作の最後の工程は”パテづめ”です。軽視されがちな作業ですが、作品の強度や耐久性を大きく左右する大切な工程です。

パテとは、基本的には石灰を油で練ったもので、隙間を埋めたり素材を固定したり、古代から現代まで世界中で使用されてきた建築材料です。現在日本では普通のガラス板を固定する場合、ほとんどシリコンを使用していますが、ステンドグラス制作にシリコンは、あまりに作業性が悪いため使用していません。千年前と変わらずパテを使います。ステンドグラスパネルを建物に設置するときにシリコンコーキングを使用することはあります。

 

市販のパテは通常白く粘土状です。

しかしステンドグラスの場合白いと目立ちますから、絵の具や墨で黒または灰色に着色します。

最近ではあらかじめ色を付けた”黒パテ”も市販されています。

 

パテは粘土状のままでは使えないため、油で液体状に溶かします。

 

 

 

油は、揮発性のテレピン油と非揮発性のポピー油など、油絵用の油を適度に混ぜ合わせて使っていましたが、いずれも高価なものでした。

最近僕は市販の”合成ボイル油”というのを使ってまして、これは安価なだけでなく、混ぜ合わせて調整しなくとも単品で使用でき、乾燥後の仕上がり具合もよろしいようです。

 

 

 

 

 

マヨネーズより少し柔らかいくらいに油で練ったパテを、鉛とガラスの隙間にブラシ等で詰めます。

 

 

 

 

詰め終わったら、おがくずを使って掃除します。

 

おがくずは、パテと一緒に隙間に詰め込むわけではなく、パテをからめて拭き取るためだけのものです。

 

 

最近おがくずが手に入りづらくなってきましたが、これに代わるものはみつかっていません。

おそらく千年前と変わらない作業風景です。

 

同じ工程を裏面でも繰り返します。

 

 

パネルを裏面に返した時に、パテが所々に滲み出ているようなら、しっかり詰まっている証拠です。

 

裏面からは軽くパテを詰めます。そうしないと、表側にパテを押し戻すことになるからです。

 

ー続く

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