雑記帳

続・世界で一番新しいガラス窓

2015年10月12日
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2年前にステンドグラスを納めましたY邸から新たな注文がありまして、この夏に制作、しかし取り付けは先週となりました。作品の制作から取り付けまで随分間があいたことには、ちょっとした理由があります。

実はその作品はステンドグラスではなく、また僕のものでもありません。デザインも制作も、Yさんのお子様、小学生の姉弟が行いました。夏休み中の1日をボザール工房での制作に費やし、取り付けは学校の自由研究発表が終わってからということになったわけです。

Y邸は、建物中央の広間吹き抜けに面した2階部分に向かい合わせで子供部屋があり、それぞれ30㎝四方ほどの小窓が開いています。そこに何か子供たちの記念になる作品を入れようというのは当初からの計画でした。
僕がデザインしたステンドグラスを設置する案もありましたが、色々相談の結果、自分で作ってみよう!ということになりました。短期間でステンドグラスの技術を覚え制作するのは無理ですが、フュージング技法なら大丈夫。無色のガラス板を前にしてその場で即興デザイン、色ガラス片を好きなように乗せたら電気炉で溶着し、完成となりました。

その完成した作品の肌合いや、現場に取り付けられた様子から、ポンペイの”世界で一番古いガラス窓”を連想したもので、前回の文章となりました。

 

お姉さんは、ヒマワリと蝶々を主題にし、女の子らしく明るい作品になりました。

 

部屋の空気を一変させる効果があります。

 

 

 

 

 

弟さんは、天の川と星座を主題にして、シンプルで大胆なデザインです。

シンプル過ぎないか?とも思いましたが、実際窓に納めてみると、大胆さが勝って独特の雰囲気を醸し出しています。

 

 

 

ポンペイのあの窓に初めてガラス板を取り付けたとき、住人たちの感動はいかばかりのものだったでしょうか。小さな窓から差し込む太陽光の輝きと、淡い色ガラスが豊かに表情を変えることに、毎日驚きと喜びを感じながら生活していただろうと思います。

Y邸の窓にお子様たちの作品を取り付けた瞬間、それは間違いなく”世界で一番新しいガラス窓”でした。そのガラスは、大切に扱われ運が良ければ、火山灰に埋もれなくとも、数千年の先までほとんどその姿を変えることなく残されることになります。

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