雑記帳

できることをやろう2014ーその12-

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12月15日、東北支援活動6日目の朝、前夜泊めていただいた角田の陶芸家池田匡優さんの家をあとにしました。

 

池田さんは、これまで使い続けてきた登り窯を「もう使わない」と言っています。

燃料に使用する近隣の木材に放射能が含まれており、その炎で陶器は焼けないと言います。

 

 

以前に別の陶芸家から聞いた話ですが、「登り窯というのはその土地に根ざしたものであり、地元の土と燃料で焼くことに意味がある」ということです。他所から買った薪ではできないということでしょう。

 

出発前に池田さんの自宅のギャラリーを見せていただいたら、どうしても欲しくなったマグカップがありましたので買い求めました。

ちょうど良い大きさで持ちやすく、粉引の暖かい白色が美しいです。

「放射能は含まれてないから安心して」と池田さんが笑いながら言いました。

 

池田さんご夫妻に再会を約束して別れ、小道を抜けて大きな道路に出ると、そこには阿武隈川の向こうに雄大な景色が広がっていました。

遠くに見えるのは奥羽山脈の一端、蔵王連峰あたりでしょうか。
青森県から栃木県まで約500kmにわたって連なるこの日本最長の山脈のおかげで、日本海側の土地は放射能の汚染を低く抑えることができました。しかしこちら側では、住宅地や農村の除染は進んだものの、山野はいまだに手付かず、手の施しようがありません。放射能は枯葉の下に堆積し、土に染み入り、川に流れ、時に空中に舞い上がります。それがこの先何十年何百年、ひょっとしたら何千年何万年の先まで続くことになります。

公共の工事は、失敗したことが分かったときに元に戻せるということを大前提に行うべきと思います。ロシアのアラル海も長崎県諫早湾もたいへんなことになってますが、これらはまだ何とか人間の力で元に戻せそうな気がします。しかし原発の放射能被害は、人間の力ではどうにもなりません。それどころか原子力というシステム自体が人間にコントロールし切れないものらしいということがわかってきました。

原発事故は、もう2度と日本では起きないのでしょうか?多くの科学者は、必ずいつかまた事故が起きると断言しています。福島級の大事故は30年に一度起きると確立計算をした学者もいます。今後100年間にもう3箇所、福島のような半永久的立ち入り禁止地区を誕生させたら、”金と利権”しか見えなくなっている人々の目は覚めるでしょうか。

15日 19:40 フェリー出航
夜中に目が覚めてデッキへ。遠くに三陸海岸の明かりが見える。復興の証だけれど、あの電気はどこから来ているのだろう。
16日 11:00 苫小牧港着
車の窓を開けて深呼吸。持参したマスクを現地ではほとんど使わなかった。そこに住む人が使ってないのに、 自分だけ付けるのは気が引けた。でも無意識に呼吸を抑えていたんだと思う。北海道の空気が美味しい。これを守るために何ができるだろうか?

ー終わり

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