川風便り

キスリングの灯ーその12-

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注文主の承諾及びキャンドル作家米澤純さんの賛同を得たので、いよいよ本格的な制作開始です。
その前に、打ち合わせ会議の後米澤さんにお願いしていた写真が届きました。


とても良い写真だと思います。
撮影にはiphoneを使用したとのことですが、スマホでもこれだけの写真が撮れます。長い間一眼レフカメラを愛好してきた身としては、スマホの小さいレンズでこの写真が撮れるということは未だに信じ難い現実です。


しかし撮影機材の性能だけで良い写真が撮れるわけではありません。撮影者の視点、つまり何を写し取り何を見せたいかという表現意図が大事だと思います。その意図に従ってモチーフを配置し、ライティングや視角を決めるのは撮影者自身だからです。
僕の撮った写真と最も違うところは、僕が単体で撮影しているのに対して、米澤さんは群像で撮っている点です。


米澤さんの写真には、キャンドルの制作者としての視点がはっきりと現れている上に、光を捉える目を持っているので画面のコントラストが特に美しく表現されていると思います。
そのことは写真をモノクロにしてみると良く分かります。


これから本制作に取り掛かるに当たって、新しい目的がひとつ加わりました。
写真映りが良い作品にしよう。

―続く

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