やはり人間というものは、ときに自分のことより相手の幸せのために行動しなければならない、そういうこともあるんだ、今がそのときだ・・・といやがる三女を説得し、2年間飼った魚を一昨日、裏の川に放してきました。
釣ったときには体調7センチくらいのかわいい魚でしたが、体型がちょっと変?流金のような形をしていました。
さらによく見るとひげが生えていて、鯉だということがわかりました。
これはショートボディーとかバルーンとか呼ばれ、水槽で飼う熱帯魚などにもたまに現れる一種の奇形ですが、天然のものを見たのはこれが初めてでした。
これは珍しいぞと僕が、かわいいからと三女が、気に入ってしばらく飼うことにしたのでした。
鯉には三女が、その体型を表して「プリプリ」という名前をつけました。
プリプリの食欲は凄まじく、1年後には60cm水槽に収まらないほど成長し、仕方なく90cmの大型水槽を買って移しました。
→ 「ガラスの家」 https://st-glass.jp/blog/note/1154.html
近頃では三女の姿を見ると、尻尾を振りながら餌の催促をするほどなついていましたが、さらに成長したプリプリの体調は35cmを超え、90cm水槽でも限界に近づいていました。
2週間に一度の水替えも大変だけど、冬には電気代が月3千円も余計にかかるというのも僕には大問題。
餌代も馬鹿になりません。
もう工房にこれ以上大きな水槽は置けないし、第一プリプリが可哀想じゃないか、仲間たちがたくさんいる自然の大きな川の方がいいに決まってる、そろそろ元の棲家に戻してやろうよ、と一ヶ月続いた僕の説得についに三女が折れて、プリプリは元いた場所へと帰っていきました。
ところがつい先ほど、僕のブログを見たという方から連絡がありまして、”ショートボディーの鯉に興味があるから譲ってくれないか”とのこと。
一瞬、僕の頭の中に数字がひらめき、新しく買った水槽代、これまでの餌代、電気代、その他色々、総額にして?・・・全部戻ってくるかも!という甘い期待を抱きかけましたが、プリプリはすでに広い川の中でした。
まあなんとも間の悪いことがあるもので。