「えっ!まだガラケー使ってんの?」なんて言われはじめてしばらく経ちますが、この度やっとスマートフォンを使うようになりました。それにはしかし僕なりの事情がありまして・・・。
iPhoneがこの世に登場したのは2007年1月のこと。しかしこのときは通信方式の違いにより日本では販売されませんでした。日本に初めて登場したのは2008年6月、第三世代移動通信システムに対応したiPhone3Gとしてソフトバンクから発売されました。
それまでの携帯電話とiPhoneとでは何が違ったか?簡単に言ってしまえば、携帯電話は文字通り”電話が携帯できるようになったもの”ですが、iPhoneは”コンピュータが携帯できるようになったもの”でした。元々コンピュータ好きの僕としては、これを放っておけるわけもなく、日本での発売が発表されるやいなや、すぐにソフトバンクの代理店へ出向いて予約しました。
しかし店頭で見本品を見た時、僕にはどうにも心に引っ掛かるものがあって、一週間後代理店に再び出向き、予約をキャンセルしてきました。僕が気にかけたのは、iPhoneの外観、つまり機種デザインです。
初めてiPhoneを手にした印象は、「羊羹の薄切りみたい」でした。
真っ黒くて角が丸く、薄っぺらいけどずしりと重い。
口の中に羊羹の甘ったるい味が広がる気さえしました。(羊羹は好きだけど)
「白はありますか?」と聞くと、入荷の予定はないと言われ、じゃ仕方ないかと予約はしたものの、家に帰ってあのy(羊羹)Phoneが自分の手の中に納まる様を想像すると、気分が悪くなるのです。
で、一週間悩んだ挙句キャンセルとなったわけです。
その次のiPhone4も5も、同じ代理店で予約をしてはキャンセルを繰り返すものだから、馴染みの店員には少々呆れられていたことでしょう。
昨年9月のiPhone6発売の時は予約に行きませんでした。相変わらずの角丸デザインが気に入らないということもありますが、近年のアップル社の様子自体がさらに気に入らないということも、僕にとっては大きな理由でした。
2011年10月5日、前日にiPhone4Sの正式発表を見届けた後、アップルの創業者スティーブ・ジョブズは56歳でこの世を去りましたが、それ以来アップル社はただの営利企業に成り下がりました。ジョブズが掲げた未来のヴィジョンは、現在の経営者には見えていないようです。
とは言え世間では、iPhone6の発売が社会現象になるほどの大騒ぎ、それよりわずかに先んじてソフトバンクから発売された未来的デザインのスマートフォン”クリスタル”は、その陰に埋もれてしまった感があります。
ー続く