雑記帳

第8回ボザール海外研修旅行ーその5-

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第8日目(10月25日) : 
ストラスブールからTGV(超高速列車)でパリへ。
・・・の予定でしたが、参加者の要望により途中ランスへ数時間ほど立ち寄ることになりました。

ランスはフランス北部シャンパーニュ=アルデンヌ地域圏最大の都市であり、シャンパン醸造の中心地です。他に、ユネスコ世界遺産に登録されたノートルダム大聖堂がよく知られています。
是非とも訪れたい場所ですが、問題がひとつありました。

ランスはストラスブール~パリの直通鉄道幹線から少々外れており、そこへ行くには思い荷物を持って小さな電車に乗換えをしなければなりません。
それはまあいいとして、近年フランスの駅では治安上の問題から、コインロッカーも荷物預かり所も消滅しています。
つまり、ランスの駅に着いた後、荷物をどうするか?

思いついた最良の策は、駅前のホテルに頼み込んで、しばらく全員の荷物を預かってもらうことでした。
図々しい話ですが、地方都市の家族経営的小ホテルなら引き受けてくれるかも?と思いました。

                   
さてランスに着いて駅舎を出ると、目の前が大きな公園になっており、よくある駅前風景とは様相が違っています。30数年前に訪れたときもそうだったかどうかは記憶にありません。
ホテルは!?と辺りを見回すと、左側にホテルの看板がひとつだけ見えました。

看板には「ibis」・・・想定していた小ホテルではなく、全世界に展開している一大チェーンホテルです。

他にホテルらしきものは見えません。
少々気後れがしましたが、とにかく行ってみることにしました。

フロントにいたちょっと恐そうなマダムに事情と要望を説明すると、「いいですよ。でも荷物室は満杯だから、フロントで預かりましょう」とあっさりOKしてくれました。
「いくらかお支払いしますか?」と聞くと、「まさか!そんな必要ないから、ランスの町を楽しんでらっしゃい」との答え。
マダムに抱きついてkissしたい気持ちでしたね。
                                                                                       

そんなことで、ランス見学は好調スタート。
駅から大通りを歩いて15分ほどで大聖堂に到着。

                                         

フランスのゴティック様式建築の傑作と評されるその姿は、実に堂々としています。

1211年の建築開始以来、数多くの動乱や戦争によって破壊されながらも、再建や修復を繰り返して現在の姿になりました。

15世紀には、百年戦争の英雄であるジャンヌ・ダルクに連れられてシャルル7世が聖別を受けに来ています。

その後もルイ16世など歴代の王がこの大聖堂で戴冠式を行っています。
                       

ステンドグラスは、当初のものの半分以上が失われていますが、修復や新設を続けて、現在はすべての窓がステンドグラスで飾られています。

                                                           

                                                                                          

有名なのは、1974年に設置されたシャガールのステンドグラスでしょう。

後陣の最奥を青い光で満たすそのステンドグラスは、シャルトル(仏)のステンドグラスの青”シャルトルブルー”に感銘を受けてデザインしたと言われています。

                                                          

                                                 

                                 

                                                                                                     

                                                                                                       

  

                                              

昼食には、折角だからということでシャンパンのボトルを注文しました。

ついでにビールの飲み比べセットなんかも頼んで、すっかりいい気分になったところで、駅に戻る時間。

                                                 

                                                                  
「ibis」のマダムに小さなプレゼントをすることを忘れませんでした。
異国の親切が心に染み透ります。

ー続くー

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