今年最初の展覧会「花は歌う」が一昨日から始まっています。
20数点のガラスのブーケ(花束)を準備しましたが、完成したのは4点だけ。残りは会期中に作り足していくつもりです。
完成品はこんな感じ。
エッチングしたピースを3~4片組み合わせ、ほかのガラスをラフにカットして付け足します。 銅線を撚り合わせて作った枠は花籠のイメージです。
ところで”ブーケ”という言葉はいつごろから日本で使われるようになったのでしょうか?
戦後の結婚式の洋風化と同時でしょうから、おそらく1960年代からでしょうね。
結婚式ではウェディングブーケとも称され、そのためブーケと言えば日本ではウエディングドレスを着た花嫁が手にする花束のイメージが強くなりました。
古くは小さい森のことをブーケと言い、転じて花束のことを指すようになりました。
花以外の藁や毛などの束もブーケと呼びます。
シチューなどに放り込むハーブの束を”bouquet garni(ブーケ・ガルニ)”と呼ぶのは知ってる方も多いでしょう。
因みに、ウェディングで花婿が持つ花を”ブートニア”と呼んでいるようですが、正しくは”boutonnière(ブートニエール)”で、やはり仏語です。
仏語の”bouton(ブートン)”はボタンのこと、
”boutonnière”はボタンの穴を指す言葉です。
昔求婚する男性は、野原で摘んだ花でブーケを作り目当ての女性に差し出しました。
女性はブーケの中から一輪を抜き取って、男性のボタンの穴に指し入れます。
それが承諾の印です。
そのときの花のことをいつしか”ブートニエール”と呼ぶようになりました。
従って花婿のブートニアに使用する花は、花嫁の持つブーケの花と同一でなければならないわけですが、日本の結婚式場でもこの伝統的約束事は守られているらしいです。
その他”ブーケ”という言葉は、ワインの芳香を表現するときにも使います。
多分、幅広く豊かで華やかな香りがするときに使うのでしょうね。
ステンドグラスのブーケもそうありたいと思いながら制作しました。
さらに歌声が聞こえてくるような感じが出ていたら最高!なんですが、それはやはり生き生きとした自然光と共にしか伝えられない気がします。
どうぞ是非、光あふれる展覧会場でご覧ください。